喘息と咳喘息の違い
「咳が長引いている」
「夜や明け方に咳が出る」
「風邪は治ったのに咳だけ残っている」
「ゼーゼーはしないけれど咳が止まらない」
このような症状がある場合、喘息や咳喘息が隠れていることがあります。
喘息と咳喘息はどちらも、気道が敏感になり、咳が出やすくなる病気です。ただし、症状の出方には違いがあります。一般的な喘息では、咳だけでなく、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴や息苦しさを伴うことがあります。一方、咳喘息では、喘鳴や明らかな息苦しさが目立たず、咳だけが長く続くことが特徴です。
喘息とは?
喘息は、空気の通り道である気管支に慢性的な炎症が起こり、気道が狭くなりやすくなる病気です。
発作的に咳が出たり、息苦しくなったり、ゼーゼー・ヒューヒューという音がしたりします。夜間や明け方に症状が悪くなることもあります。
喘息でみられやすい症状には、次のようなものがあります。
・咳が続く
・夜間や明け方に咳が出る
・ゼーゼー、ヒューヒューする
・息苦しい
・胸が重い、胸が苦しい
・運動や冷たい空気で咳が出る
・風邪のあとに咳が長引く
喘息は、症状がある時だけ治療すればよい病気ではありません。気道の炎症を抑え、発作を起こしにくい状態を保つことが大切です。
咳喘息とは?
咳喘息は、長引く咳を主な症状とする病気です。
一般的な喘息と違い、ゼーゼー・ヒューヒューという喘鳴や強い息苦しさが目立たず、咳だけが続くことがあります。そのため、「風邪が長引いているだけ」「体質だから仕方ない」と思われやすい病気です。
咳喘息でみられやすい症状には、次のようなものがあります。
・乾いた咳が続く
・夜間や明け方に咳が出る
・会話中に咳が出る
・冷たい空気で咳が出る
・運動後に咳が出る
・風邪のあとに咳だけ残る
・市販の咳止めで改善しにくい
日本呼吸器学会の一般向け情報でも、咳喘息では「ゼーゼー・ヒューヒュー、息苦しさ」といった症状がなく、咳が唯一の症状となることがあると説明されています。また、咳喘息の一部は喘息へ移行することがあるため、放置せずに評価することが大切です。
喘息と咳喘息の違い
喘息と咳喘息の大きな違いは、喘鳴や息苦しさがあるかどうかです。
喘息では、咳に加えて、息苦しさやゼーゼー・ヒューヒューする音を伴うことがあります。咳喘息では、咳だけが目立ち、聴診でも明らかな喘鳴を認めないことがあります。
ただし、患者さん自身で完全に見分けることは難しいです。咳喘息と思っていても、実際には喘息、COPD、肺炎、心不全、逆流性食道炎、副鼻腔炎、薬剤性の咳などが原因になっていることもあります。
長引く咳を放置しない方がよい理由
咳が長引く原因は、咳喘息だけではありません。
長引く咳の背景には、次のような病気が隠れていることがあります。
・咳喘息
・気管支喘息
・COPD
・肺炎
・副鼻腔炎
・逆流性食道炎
・心不全
・薬剤性の咳
・肺がんなどの肺疾患
特に、息切れ、発熱、血痰、胸痛、体重減少、強い倦怠感を伴う場合は、早めの受診が必要です。
このような咳はご相談ください
次のような場合は、一度ご相談ください。
・咳が2〜3週間以上続く
・夜間や明け方に咳で目が覚める
・風邪のあとに咳だけ残っている
・咳止めを飲んでも改善しにくい
・ゼーゼー、ヒューヒューする
・息切れを伴う
・会話中や運動後に咳が出る
・季節の変わり目に咳が悪くなる
・毎年同じ時期に咳が続く
・高血圧、心不全、喫煙歴がある
当院で行う評価
えぷろんクリニックでは、咳の経過、出やすい時間帯、痰の有無、発熱、息切れ、胸痛、アレルギー歴、喫煙歴、内服薬などを確認します。
必要に応じて、以下のような検査を行います。
・聴診
・酸素飽和度の確認
・胸部レントゲン
・血液検査
・呼吸機能検査
・呼気NO検査
・心電図
・心エコー
咳の原因が呼吸器だけでなく、心不全など心臓の病気によることもあるため、症状に応じて心臓と肺の両面から評価します。
治療について
喘息や咳喘息では、気道の炎症を抑える治療が重要です。症状や検査結果に応じて、吸入薬や内服薬を組み合わせて治療します。
咳が落ち着いたからといって、自己判断で治療を中断すると、再び咳が悪化したり、喘息へ移行したりすることがあります。治療の継続期間や薬の調整については、診察で相談しながら決めることが大切です。
喘息・咳喘息を悪化させないために
喘息や咳喘息は、環境や生活習慣の影響を受けることがあります。
悪化を防ぐためには、次のような点も大切です。
・禁煙する
・受動喫煙を避ける
・ほこりやダニ対策をする
・急な寒暖差に注意する
・風邪をきっかけに悪化しやすい場合は早めに相談する
・自己判断で吸入薬を中止しない
・毎年同じ時期に悪化する場合は、早めに対策する
まとめ
喘息と咳喘息は、どちらも気道が敏感になり、咳が出やすくなる病気です。
喘息では咳に加えて、ゼーゼー・ヒューヒューする音や息苦しさを伴うことがあります。一方、咳喘息では咳だけが長く続くことがあり、風邪や体質と間違われることもあります。
長引く咳を放置すると、生活の質が下がるだけでなく、喘息への移行や他の病気の見逃しにつながることがあります。咳が続く場合は、早めにご相談ください。
えぷろんクリニックでは、呼吸器内科の視点から喘息・咳喘息を評価し、必要に応じて循環器内科とも連携しながら、心臓と肺の両面から診療します。