健診の蛋白尿・血尿。腎臓病と再検査

患者さん・ご家族向け

健康診断の尿検査で異常を指摘された方へ

蛋白尿(たんぱく尿)や血尿・尿潜血は、腎臓や尿路からの早期サインである一方、発熱・激しい運動・脱水・月経などの影響で一時的に出ることもあります。一度の陽性だけで慢性腎臓病(CKD)とは診断しませんが、症状がないからと放置せず、再検査で確かめることが大切です。

尿蛋白1+以上健診では医療機関への受診が勧められます。
蛋白尿+血尿糸球体腎炎などを考え、早めの詳しい評価が必要です。
目で見て赤い尿一度だけでも、腎臓・泌尿器の精査が必要です。

姫路市で腎臓病が心配な方へ|尿検査は腎臓の「早期警報」です

腎臓は、老廃物を尿へ出すだけでなく、水分・塩分・カリウムなどの調整、血圧の調節、赤血球をつくる働きの支援にも関わります。腎臓病はかなり進むまで自覚症状が乏しいため、健康診断の尿蛋白、尿潜血、クレアチニン、eGFRが発見のきっかけになります。

慢性腎臓病(CKD)は、蛋白尿などの腎障害、またはeGFR 60mL/分/1.73m²未満が3か月を超えて続く状態です。したがって「今回だけ陽性」ならCKD確定ではありません。しかし、再検査をしなければ一過性か持続性かを区別できません。

大切な点:試験紙の「+の数」だけで重症度は決まりません。尿の濃さの影響を受けるため、必要に応じて尿蛋白/クレアチニン比などの定量検査で評価します。

健康診断で蛋白尿が出たときに考えられる原因

一時的な蛋白尿

激しい運動、発熱、脱水、強いストレスなどで一時的に陽性となることがあります。若い方では立って活動している時間だけ蛋白が出る起立性蛋白尿もあります。体調が整った状態の早朝第一尿で再検すると判断しやすくなります。

持続する蛋白尿で考える病気

  • 糖尿病性腎臓病:糖尿病による腎臓の細い血管の障害
  • 高血圧性腎硬化症:長年の高血圧による腎障害
  • 糸球体腎炎:IgA腎症など、腎臓のフィルターに炎症が起こる病気
  • ネフローゼ症候群:大量の蛋白尿、低アルブミン血症、むくみを来す状態
  • 膠原病・血管炎など:全身の病気の一部として起こる腎障害

とくに、蛋白尿に血尿、高血圧、むくみ、eGFR低下が重なる場合は、早めの評価が必要です。

健康診断で血尿・尿潜血が出たときに考えられる原因

尿潜血は、試験紙が血液中の「ヘム」に反応する検査です。陽性でも必ず赤血球が尿中にあるとは限らないため、必要に応じて尿沈渣で確認します。また、月経の混入や激しい運動の影響も考慮します。

主な場所考えられる病気手がかり
腎臓の糸球体IgA腎症、各種糸球体腎炎、血管炎、膠原病関連腎炎など蛋白尿を伴う、コーラ色の尿、むくみ、高血圧、腎機能低下
腎盂・尿管尿路結石、腎盂腎炎、腎・尿路の腫瘍など脇腹の強い痛み、発熱、吐き気。腫瘍では痛みがないこともある
膀胱・尿道膀胱炎、前立腺疾患、膀胱腫瘍など頻尿、排尿痛、残尿感、血の塊。無症状の場合もある

痛みのない肉眼的血尿も重要なサインです。消えたから大丈夫とは限らず、一度でも認めた場合は泌尿器科を含む精査が必要です。年齢、喫煙歴、排尿症状などによって必要な検査は変わります。

蛋白尿と血尿が同時に出たら、より注意が必要です

蛋白尿と血尿が同時に陽性の場合は、IgA腎症などの糸球体疾患を疑う重要な組み合わせです。日本腎臓学会の基準でも、腎機能が保たれていても血尿を伴う蛋白尿は、腎臓専門医への紹介を検討する所見です。

一方、血尿だけの場合も、尿路感染症、結石、腫瘍などの鑑別が必要です。「腎臓内科か泌尿器科か分からない」という場合は、まず内科で再検査と全身評価を受け、所見に応じて適切な専門科へつなぐ方法があります。

健診後の再検査では何を調べる?

健診結果と過去データを確認
条件を整えて尿を再検
採血・血圧・症状を評価
経過観察または専門科へ紹介
  • 尿蛋白・尿潜血の再検査
  • 尿蛋白/クレアチニン比などの定量
  • 必要に応じた尿沈渣
  • クレアチニン、eGFR、BUN、電解質
  • アルブミン、血糖、HbA1cなど
  • 血圧、体重、むくみ、尿量の確認

服用中の薬も重要です。市販の鎮痛薬を含むNSAIDsなど、腎機能に影響し得る薬があります。ただし、自己判断で薬を中止せず、お薬手帳を持参して医師に相談してください。

このような場合は早めに医療機関へ

  • 赤い尿・コーラ色の尿が目で見て分かる
  • 血の塊が出る、尿が出にくい・出ない
  • 発熱、悪寒、背中や脇腹の痛み、嘔吐を伴う
  • 尿量が急に減り、むくみや息苦しさがある
  • 蛋白尿と血尿を同時に指摘された
  • クレアチニン上昇やeGFR低下が急に進んだ

尿が出ない、血の塊で排尿できない場合は、夜間・休日でも速やかに救急受診してください。強い息苦しさや意識の異常がある場合は、119番へ連絡してください。

腎臓と心臓はつながっています

高血圧や糖尿病は腎臓病の主な原因であり、腎機能が低下すると血圧上昇や体液貯留を招き、心不全にも影響します。腎臓だけ、心臓だけを見るのではなく、血圧・血糖・脂質・体重・喫煙を含めて管理することが、腎臓病と心血管病の両方の予防につながります。

えぷろんクリニックで相談できること

姫路市飾磨区のえぷろんクリニックでは、健康診断の異常・再検査をご相談いただけます。診察、血圧測定、尿の再検査、採血による腎機能・糖尿病・電解質などの評価を行い、背景にある生活習慣病も含めて確認します。むくみや息切れがある場合は、心臓の評価も組み合わせます。

当院は腎臓内科専門クリニックではありません。腎炎、進行したCKD、泌尿器疾患など専門的な精査・治療が必要と判断した場合は、腎臓内科・泌尿器科など適切な医療機関へご紹介します。

受診時にお持ちください:今回と過去の健診結果、紹介状があればその書類、お薬手帳、家庭血圧の記録。月経中・発熱中・強い運動の直後だった場合は、その状況もお伝えください。

よくある質問

Q. 姫路市で蛋白尿や血尿は何科に相談すればよいですか?
まず内科で尿検査・腎機能・血圧などを確認できます。蛋白尿や腎機能低下が中心なら腎臓内科、肉眼的血尿や結石・膀胱疾患が疑われる場合は泌尿器科での精査が重要です。迷う場合は内科で初期評価を受けてください。
Q. 尿蛋白が「±」でも受診したほうがよいですか?
脱水や運動などで一時的に出ることもありますが、再検査で確認するのが安全です。糖尿病、高血圧、eGFR低下、むくみ、血尿がある方や、繰り返し「±」以上になる方は医療機関へご相談ください。
Q. 尿潜血だけ陽性で、症状がなくても再検査は必要ですか?
必要です。月経の混入など一時的な要因もありますが、糸球体腎炎、結石、尿路腫瘍などが隠れることがあります。再検尿と、年齢・喫煙歴・排尿症状などを踏まえた評価を行います。
Q. 生理中の尿検査で尿潜血が陽性でした。どうすればよいですか?
月経血の混入で陽性になることがあります。月経が終わり、激しい運動や発熱がない日に、中間尿で再検査してください。ただし、赤い尿や痛みなどの症状がある場合は再検査を待たず受診してください。
Q. eGFRが60未満なら、すぐ慢性腎臓病ですか?
1回の低値だけではCKD確定ではありません。eGFR 60未満または蛋白尿などの腎障害が3か月を超えて続くとCKDと診断します。ただし、以前より急に低下した場合やeGFRが大きく低い場合は早めの評価が必要です。

健康診断の尿異常を、そのままにしないでください

姫路市で蛋白尿・血尿・腎機能低下にお悩みの方、生活習慣病や心臓の病気が心配な方は、えぷろんクリニックへご相談ください。症状や検査結果を確認し、必要に応じて適切な検査や専門医療機関との連携を行います。

WEB予約はこちら

医学情報の主な参考資料

  1. 日本腎臓学会『エビデンスに基づくCKD診療ガイドライン2023』
  2. 血尿診断ガイドライン2023(Mindsガイドラインライブラリ)
  3. 日本腎臓学会「放ったままにしていませんか?―蛋白尿・血尿―」
  4. 厚生労働省 慢性腎臓病(CKD)普及啓発資料

※本記事は一般的な医学情報です。個別の診断・治療は、診察と検査結果をもとに医師が判断します。

医師情報:えぷろんクリニック 院長 松尾晃樹
日本内科学会認定内科医/日本循環器学会循環器専門医