医療従事者向け

本記事は医療従事者向けの解説です。機器操作や侵襲的検査は、適応、最新電子添文、施設の手順と患者さんの状態を踏まえて専門医療機関で判断します。

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循環器内科・重症心不全|医療従事者向け

「流量を出すポンプ」ではなく、左室をアンロードしながら全身循環を支える。 Impellaを理解するには、装置そのものよりも血行動態を理解することが重要です。

資料確認:2026年10月13日 / 循環器内科・重症心不全

Impella(インペラ)は、左室から血液を吸引し、大動脈へ直接送血する カテーテル式の一時的左心補助用マイクロアキシャルフローポンプです。

しかし、その本質は単純な「血圧を上げるポンプ」ではありません。 Impellaでは全身循環を補助すると同時に、左室内の血液を直接大動脈へ移動させることで、 左室拡張末期圧、左室容量、壁応力、心筋仕事量を低下させる方向に作用します。

この「循環補助」と「左室アンローディング」を同時に行える点が、 IABPやVA-ECMOとは異なるImpellaの重要な特徴です。

まず、ここだけ
  • Impellaは左室から大動脈へ血液を送り、循環を補助する。
  • 同時に左室の前負荷・充満圧・壁応力を減らす「LV unloading」を行う。
  • 左心補助なので、十分な右室拍出と肺循環がなければ流量は維持できない。
  • DanGer-Shockでは選択されたSTEMI心原性ショックで180日死亡を減少させた。
  • 一方、出血、血管合併症、溶血、腎代替療法などの有害事象は無視できない。
  • 非ショックSTEMIや高リスクPCIへの「とりあえず予防的Impella」とは分けて考える必要がある。

01Impellaの構造と血行動態

左心補助用Impellaは、大動脈弁をまたぐように留置します。 吸入口は左室内に、吐出口は上行大動脈内に位置し、 軸流ポンプによって左室内の血液を大動脈へ送ります。

左室
→
Impella
ポンプ
→
上行大動脈
→
全身循環

図1:Impellaの基本的な血流。左室から直接脱血し、大動脈側へ送血します。

IABPが心拍に同期して大動脈圧波形を変化させるのに対し、 Impellaは心周期とは独立して血液を移送します。 したがって、自己心の拍出が高度に低下していても一定のforward flowを確保できます。

「Impella流量=患者のcardiac output」と考えてはいけません。 患者の全身血流は、自己心拍出とImpellaによる送血を含めた結果として成立します。 さらに実際の臓器灌流は血圧、血管抵抗、酸素運搬能などにも左右されます。

02左室アンローディングとは何か

Impellaの最大の特徴の一つが left ventricular unloading(左室アンローディング)です。

左室内から直接血液を取り除くことで、条件によっては次の変化が期待されます。

  • 左室拡張末期容積の低下
  • 左室拡張末期圧・PCWPの低下
  • 左室壁応力の低下
  • 心筋仕事量の低下
  • 肺うっ血の軽減
  • 心筋酸素需要の低下

Pressure-volume loopで考える

Impellaによる左室脱血では、左室pressure-volume loopは一般に左下方向へ移動し、 loop area、すなわちstroke workが小さくなる方向へ変化します。

ここで重要なのは、 「心拍出量を増やすこと」と「左室を休ませること」が必ずしも同じ現象ではない ということです。

生理学的合理性と臨床アウトカムは別
動物実験ではアンローディングによる心筋酸素需要低下や梗塞領域への影響が報告されています。 しかし「理論的に心筋に良さそう」であることと、 患者死亡や梗塞サイズを実際に減らすことは別の問いです。 機序を支持する研究と、患者さんの死亡や合併症を評価した臨床試験を区別して解釈する必要があります。

03Impella CPとImpella 5.5の違い

国内で使用する際には、海外文献の流量表記や仕様をそのまま転載せず、 国内電子添文・使用する機種の仕様を確認する必要があります。

スマートフォンでは表を左右にスクロールしてご覧ください。

項目Impella CP SmartAssistImpella 5.5 SmartAssist
最大補助流量約3.7 L/min
※国内添付文書
最大5.5 L/min
主な役割迅速な経皮的左心補助より大きな補助流量を必要とする場合の一時的左心補助
アクセス大腿動脈。腋窩・鎖骨下動脈からの挿入方法も記載主に腋窩・鎖骨下動脈+人工血管
カニュラ最大径14 Fr21 Fr
臨床上の論点迅速性、末梢血管径、虚血・出血必要流量、右心機能、外科的アクセス、bridge strategy
CPで流量が足りないから5.5に変更する、という単純な話ではありません。 左室へのpreloadそのものが不足している場合、 ポンプを大型化しても流量不足の原因は解決しません。 RV failure、hypovolemia、tamponade、malpositionを先に評価します。

04心原性ショックでの患者選択

国内適応と、海外の予防的PCI補助を分ける

国内での使用目的は、心原性ショックなどの薬物療法抵抗性の急性心不全に対する体循環補助です。適正使用指針では、左心不全を主体とした循環不全が遷延し、従来のIABPまたはPCPSだけでは補助が不十分と想定される病態で使用を考慮します。IABP、PCPSの順に導入して失敗を確認するという固定的な手順を意味するものではありません。

国内指針では、PCI中のみの補助には使用しないことが定められています。海外の計画的高リスクPCIにおける予防的使用の試験結果と、日本の承認適応は区別してください。使用は、指針の施設要件を満たし、所定の訓練を受けたハートチームによる検討と管理が前提です。[国内適正使用指針]

国内添付文書の禁忌・警告を確認する

大動脈弁位の機械式人工弁と、中等度以上の大動脈弁閉鎖不全は禁忌です。大動脈弁狭窄、心室の形態、大動脈・アクセス血管の病変は、デリバリーの可否や損傷・穿孔のリスクを評価します。海外の禁忌一覧をそのまま国内添付文書の禁忌として転載せず、機種別の最新資料を確認してください。[CP電子添文][5.5電子添文]

Impellaを考えるときに最も重要なのは、 LVEFの数字だけで選ばないことです。

「EF 15%だからImpella」ではなく、 どの病態が循環不全を作っているのかを評価します。

左心不全優位なのか

急性心筋梗塞や重症左室機能障害による左室ポンプ不全で、 左室充満圧が高く、全身へのforward flowが不足している病態では、 Impellaの生理学的利点が最も理解しやすくなります。

右心不全優位ではないか

右室から肺循環へ血液を送れなければ、 左室に十分な血液が戻ってきません。 この状態でImpellaの回転数だけ上げても、 suctionや低流量につながる可能性があります。

酸素化は保たれているか

Impellaには人工肺機能がありません。 重度低酸素血症や肺循環不全を伴う場合には、 VA-ECMOを含めた別の補助方式を検討します。

「ショック=低血圧」ではありません
昇圧薬によって血圧が保たれていても、 cardiac output低下、乳酸上昇、乏尿、末梢循環不全が進行していれば hemodynamic shockは進行している可能性があります。

05DanGer-Shockをどう読むか

DanGer-Shock Trial
STEMIに伴う心原性ショックに対するImpella CP+標準治療 vs 標準治療

2024年のDanGer-Shockは、選択されたSTEMI関連心原性ショック患者でImpella CPと標準治療を比較した無作為化試験です。360例が無作為化され、最終解析は355例でした。[原著]

45.8% Impella群
180日死亡
58.5% 標準治療群
180日死亡
HR 0.74 95% CI
0.55–0.99

180日死亡はImpella群で有意に低下しました。 180日死亡の割合の差は12.7ポイントで、単純計算によるNNTは約8です。この試験集団・追跡期間での値であり、すべての心原性ショック患者に当てはまる数値ではありません。

しかし有害事象は増えた

評価項目Impella群標準治療群
180日全死亡45.8%58.5%
複合安全性評価項目24.0%6.2%
腎代替療法41.9%26.7%

複合安全性評価項目は、重度出血、下肢虚血、溶血、機器不具合、大動脈弁閉鎖不全の悪化です。[原著]

したがって、DanGer-Shockを 「Impellaは心原性ショックなら全例入れるべき」 と読むのは明らかに過剰です。

対象は選択されたSTEMI関連心原性ショックであり、 院外心停止後の昏睡例や右室不全優位例などには重要な除外があります。 非虚血性心筋症、慢性心不全の急性増悪、post-cardiotomy shockなどへ 同じeffect sizeをそのまま外挿することはできません。

「生存利益が示された」ことと「安全な装置である」ことも別問題です。 大口径アクセス、抗凝固、溶血、RRT、血管合併症を含め、 device-related harmとの交換条件で利益が成立しています。

非ショックSTEMIではどうか

2026年のSTEMI-DTUでは、心原性ショックを伴わない前壁STEMIに対し、 Impellaによる30分間のLV unloading後にPCIを行う戦略が検討されました。

527例を対象とし、PCI後3~5日の心臓MRIによる梗塞サイズ/左室心筋重量は30.8%対31.9%(P=0.50)で、有意差はありませんでした。30日以内の大出血または血管合併症はアンローディング群で多く認められました。[STEMI-DTU原著]

つまり、 「アンローディングは理論的に良いから、再灌流を待ってでも先にImpella」 という戦略をルーチンに支持する結果ではありません。

計画的高リスクPCIの試験も別に読む

2026年のCHIP-BCIS3は、重度左室機能低下と広範な冠動脈疾患を持つ300例の計画的複雑PCIを対象としました。主要な階層的複合評価項目のwin ratioは0.85(95%信頼区間0.63~1.15、P=0.30)で、予防的なマイクロアキシャルポンプ使用の優越性を示しませんでした。全死亡は47例対33例(HR 1.54、95%信頼区間0.99~2.41)でしたが、統計学的に有意な増加と断定はできません。[CHIP-BCIS3原著]

PROTECT IVは別の登録試験で、2026年10月13日の確認時点でClinicalTrials.govに結果は掲載されていません。未公表の試験結果を確定した根拠として扱わないことが重要です。[試験登録]

06導入後の血行動態評価

Impella導入後に最もありがちな落とし穴は、 「血圧が上がったから成功」と判断することです。

評価すべきなのは、少なくとも次の4領域です。

  • Perfusion:乳酸、尿量、末梢循環、意識、SvO₂/ScvO₂
  • Pressure:MAP、RAP、PA pressure、PCWP
  • Flow:CO、CI、自己心拍出、Impella依存度
  • Congestion:PCWP、肺うっ血、右房圧、臓器うっ血

Cardiac Power Output(CPO)

CPO(W)= MAP(mmHg)× CO(L/min)÷ 451

CPOは血圧とflowの両方を含むため、 shock severityを把握するうえで有用な指標です。 ただし、測定しているCOが何を表しているのかを理解する必要があります。

PACのCOにImpella flowを足さない
肺動脈カテーテルで得られたCOにImpella表示流量を単純加算すると、 多くの場合は二重計上になります。 他の体外循環や大きな心内シャントがない定常状態では、肺循環を通過した血流が自己心拍出とImpella flowに分かれて体循環へ流れるためです。 VA-ECMO併用時には静脈脱血などが測定に影響するため、PACのCOをそのまま全身の総血流量として扱わず、回路構成と測定条件を確認します。

07Impella管理では右心を見る

左心補助中だからこそ、右心機能が重要です。

右室が肺循環へ十分な血液を送れなければ、 左房・左室へのpreloadが減少し、 Impella flowを維持できません。

PAPi

PAPi =(PASP − PADP)÷ RAP

PAPiは右心機能評価の一つとして有用ですが、 preload、afterload、人工呼吸、補助循環などの影響を受けます。 単一のcut-offだけでRV failureを診断するものではありません。

心エコーでは、 RV size、RV systolic function、TR、septal configurationに加え、 LV fillingを同時に確認します。

RAPが高いのにLVが小さくsuctionを起こしている場合、 「循環血液量が足りない」とだけ考えて輸液を繰り返すと、 右心うっ血を悪化させる可能性があります。

08心エコーで何を見るか

1.ポンプ位置

CPでは吸入口が大動脈弁輪から左室側へおよそ3.5 cm、 5.5ではおよそ5 cmが一つの目安です。 ただし機種ごとに確認します。国内添付文書では初回留置はX線透視下、位置ずれの修正は心臓イメージング下(X線透視・心エコー)で行い、再挿入・留置が必要な場合はX線透視下と定められています。[CP電子添文][5.5電子添文]

  • 吸入口がLV cavity内にあるか
  • 僧帽弁下組織へ干渉していないか
  • 乳頭筋・心室壁へ向いていないか
  • 吐出口が大動脈側にあるか
  • 新規MR・ARがないか

2.LV filling

LV cavityが極端に小さい場合は、 過剰unloading、右心不全、出血・hypovolemiaなどを考えます。

3.自己心の回復

Impella稼働中のLVEFはload-dependentです。 EFだけを見て「回復した」「回復していない」と判断するのは不十分です。

補助を低下させた際のLVOT VTI、 aortic valve opening、LV size、MR、 filling pressure、RV responseなどを合わせて評価します。

09Suction alarmをどう考えるか

Suction alarmは「とりあえず輸液」の合図ではありません。

主な原因を整理すると、次のようになります。

原因考えること
位置異常吸入口が心室壁・乳頭筋・僧帽弁下へ接近
低preload出血、脱水、静脈還流低下
右心不全LVへの血液供給不足
tamponade両心系のfilling障害
過剰補助流入量に対しpump speedが高すぎる

持続するsuctionは溶血につながるため、 補助レベルを調整しながら、 速やかにエコーと血行動態で原因を確認します。

10VA-ECMO+Impella:ECPELLA

VA-ECMOは非常に強力な循環・酸素化補助ですが、 特に末梢VA-ECMOでは大動脈への逆行性送血によって、 左室afterloadが増加することがあります。

VA-ECMO
→
全身循環
+酸素化
Impella
→
LV unloading

図2:ECPELLAではVA-ECMOで全身循環と酸素化を支え、 Impellaで左室を減圧する考え方です。

自己心拍出が乏しく大動脈弁がほとんど開かない場合、 LV distension、肺うっ血、左室内血栓形成などが問題となります。 Impellaを追加することでLV decompressionを図るのがECPELLAです。

Schrageらの686例の国際多施設観察研究では、傾向スコアで対応させた解析でImpella併用と30日死亡の低下が関連しました(HR 0.79、95%信頼区間0.63~0.98)。一方、重度出血や虚血性合併症などは増加しました。残余交絡を除けない観察研究であり、併用自体の生存利益や全例への追加を証明したものではありません。[観察研究]

ECPELLAなら流量を最大にすればよいのか

そうではありません。

ECMO flow、Impella flow、RV output、肺酸素化、 native LV output、上半身酸素化のバランスを見る必要があります。

特に自己肺の酸素化が不十分な場合、 native LV outputの増加によって上半身へ低酸素血が送られる differential hypoxemiaにも注意が必要です。

ECPELLAでは、循環補助と左室減負荷という目的に応じて両装置を調整します。 2つのポンプが異なる場所の圧と流量を変化させるため、 何を改善するためにどちらの流量を動かしているのかを明確にする必要があります。

11溶血・出血・血管障害などの合併症

溶血

Impella管理で重要な合併症の一つです。 suction、malposition、流入不足、高いpump speedなどが関連します。

疑った場合には、以下を確認します。

  • 血漿遊離ヘモグロビン
  • LDH
  • Hbの推移
  • bilirubin
  • 尿色・尿検査
  • Impella position
  • suction event

LDH単独では、心筋障害、肝障害などでも上昇するため、 特異的ではありません。

持続的な溶血が確認された場合は、国内添付文書に従い、速やかに他の既存の補助循環法へ移行します。位置や作動条件の確認だけで対応を長く続けないことが重要です。[CP電子添文][5.5電子添文]

出血

大口径シース、抗凝固、抗血小板薬、critical illnessが重なるため、 出血リスクは高くなります。

穿刺部だけでなく、 後腹膜出血、消化管出血、頭蓋内出血などを含めて評価します。

下肢虚血

CPでは大腿動脈アクセスが多く、 末梢動脈疾患や小径血管では下肢虚血に注意します。

弁・心室壁への損傷

新規のMR、AR、心嚢液増加、急激な血行動態悪化を認めた場合には、 device-related injuryも鑑別します。

12抗凝固とパージ管理

Impellaでは全身抗凝固だけでなく、 パージ液由来のヘパリン投与量を考慮する必要があります。

総ヘパリン量 = 全身投与量 + パージ液由来投与量

例えば50 U/mLのヘパリン入りパージ液が10 mL/hで流れていれば、 それだけで500 U/hのヘパリンが供給されます。

パージ流量は一定とは限らないため、 「パージにヘパリンが入っている」ことだけでなく、 実際に何単位/時が入っているかを見る必要があります。

国内添付文書と海外プロトコルを混同しない
ヘパリン濃度やACT、anti-Xaの目標値は、 国内添付文書、海外コンセンサス、施設プロトコルで異なる場合があります。 実臨床では使用する機器の最新添付文書と院内手順を優先してください。

13離脱:EFではなく「低補助で循環が成立するか」

Impellaからの離脱で本当に知りたいのは、 ポンプを減らしたときに自己心で循環を維持できるかです。

したがって、LVEFだけでは不十分です。

離脱前に確認したい項目

  • 原疾患が改善している
  • 乳酸が改善している
  • 臓器灌流が保たれている
  • 昇圧薬・強心薬が減量できている
  • 右心機能が保たれている
  • 肺うっ血・高い充満圧が改善している

補助を下げながら見るもの

  • MAP
  • 心拍数
  • CPO / CO / CI
  • PCWP・RAP
  • SvO₂
  • 乳酸
  • LVOT VTI
  • aortic valve opening
  • RV response
補助を下げても血圧だけ保たれている一方で、 PCWPが急上昇し肺うっ血が悪化する場合、 自己心が増えた仕事量を十分に引き受けられているとは言えません。

離脱できないときは「次」を考える

Impellaはtemporary MCSです。 回復を待つbridge to recoveryなのか、 Impella 5.5などへのescalationなのか、 durable LVADや心臓移植を考えるbridge to decision / bridge to bridgeなのか。

装置を入れた時点から、 出口戦略を同時に考えることが重要です。

14Impellaをどう理解するか

Impellaは、 「強心薬より強い治療」 「IABPより流量が出る装置」 という比較だけでは理解しにくいデバイスです。

本質は、 左室から直接脱血することでLV unloadingを行いながら、 forward flowを確保することにあります。

その一方で、右心不全、preload不足、位置異常、溶血、 出血・血管合併症などによって、 「流量を増やせば増やすほど良い」という装置ではありません。

DanGer-Shockによって、選択されたSTEMI関連心原性ショックでは mortality benefitが示されました。 しかし、それは患者選択と厳密な管理を前提とした結果です。

補助循環器管理では、 「今の血圧はいくつか」ではなく、 「どの心室が、どの圧で、どれだけの血液を、どこへ送れているのか」 を考えることが重要です。

15Impellaのよくある質問

ImpellaとIABPの最大の違いは何ですか?

IABPは大動脈内でバルーンを拡張・収縮させて冠灌流や後負荷を調節します。 Impellaは左室から大動脈へ直接血液を移送し、 より直接的にforward flowとLV unloadingを得る点が異なります。

Impella flowが3 L/minなら患者のCOは3 L/minですか?

いいえ。Impella flowはポンプを通過する推定流量です。 患者の全身循環は自己心拍出との合計として成立し、 血行動態評価ではPAC、エコー、臓器灌流指標を合わせて判断します。

Suction alarmでは輸液が第一選択ですか?

一律ではありません。位置異常、右心不全、出血、tamponade、 過剰補助などでも起こります。 エコーと血行動態で原因を確認します。

EFが改善すればImpellaを抜去できますか?

EFだけでは判断できません。 補助を減らした際に血圧・CO・充満圧・SvO₂・乳酸などが維持できるか、 自己心で循環が成立するかを評価します。

心筋梗塞ではPCI前にImpellaを入れるべきですか?

全例ではありません。 心原性ショックを伴う場合と、ショックのないSTEMIではエビデンスが異なります。 STEMI-DTUでは、非ショック前壁STEMIに対するルーチンの unloading+再灌流遅延戦略による梗塞サイズ縮小は示されませんでした。

姫路市で心不全・心臓病の継続管理をご希望の方へ

Impellaを必要とするような重症心不全・心原性ショックは、 高度急性期病院での治療が必要です。

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姫路市で息切れやむくみにお悩みの方、 心不全や心臓の病気が心配な方は、 えぷろんクリニックまでご相談ください。

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あわせて読みたい

16参考文献・情報源

  1. Møller JE, et al. DanGer Shock. N Engl J Med. 2024;390:1382–1393. 原論文(DOI: 10.1056/NEJMoa2312572)
  2. 補助人工心臓治療関連学会協議会 インペラ部会. IMPELLA適正使用指針(2024年6月18日改定・第6版). 国内適正使用指針
  3. PMDA. IMPELLA CP SmartAssist 電子添文(2025年10月・第7版). 機種別電子添文
  4. PMDA. IMPELLA 5.5 SmartAssist 電子添文(2025年1月・第4版). 機種別電子添文
  5. Sinha SS, et al. 2025 Concise Clinical Guidance: Evaluation and Management of Cardiogenic Shock. J Am Coll Cardiol. 2025;85:1618–1641. ACCコンセンサス
  6. Schrage B, et al. VA-ECMO中の左室減負荷に関する国際多施設観察研究. Circulation. 2020;142:2095–2106. 原論文
  7. Tschöpe C, et al. The TIDE algorithm for Impella weaning. Front Cardiovasc Med. 2021;8:563484. 原論文
  8. Kapur NK, et al. STEMI-DTU pivotal randomized trial. J Am Coll Cardiol. 2026;88:76–90. 原論文(DOI: 10.1016/j.jacc.2026.03.071)
  9. Perera D, et al. CHIP-BCIS3. N Engl J Med. 2026;394:1779–1789. 原論文
  10. PROTECT IV試験登録(NCT04763200). ClinicalTrials.gov:結果未掲載

※本文は2026年10月時点で確認した資料を基に作成しています。 製品仕様・電子添文・適正使用指針は改訂される可能性があります。