医療従事者向け

本記事は医療従事者向けの解説です。機器操作や侵襲的検査は、適応、最新電子添文、施設の手順と患者さんの状態を踏まえて専門医療機関で判断します。

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循環器内科|専門医向け解説

右心カテーテルと肺動脈酸素飽和度
― 圧・血流・酸素需給から心不全と肺高血圧を読み解く ―

右心カテーテル検査では、右房圧、肺動脈圧、肺動脈楔入圧だけでなく、 心拍出量や肺動脈血酸素飽和度(SvO₂)を組み合わせることで、 「どこに圧がかかっているか」「どれだけ血液が流れているか」 「その血流で全身の酸素需要を満たせているか」を評価できます。

公開日・資料確認日:2026年10月13日 / 内科・循環器内科

「肺動脈酸素飽和度が低いから、心拍出量が少ない」

「SvO₂が正常だから、循環は問題ない」

臨床ではこのように説明されることがありますが、厳密にはどちらも十分ではありません。

SvO₂は心拍出量だけで決まる値ではなく、Hb、動脈血酸素飽和度、酸素消費量、組織の酸素抽出によって決まります。 さらに左→右シャントが存在する場合には、肺動脈血そのものが「全身から戻った混合静脈血」を代表しなくなります。

この記事では右心カテーテル検査を単なる「圧を測る検査」としてではなく、 圧・血流・酸素需給を一つの循環生理として理解することを目的に、 Fick法、熱希釈法、SvO₂、PVR、Qp/Qsまで詳しく解説します。

まず、ここだけ
  • SvO₂の参考値はおおむね65〜80%ですが、単独では循環状態を判断できません。
  • SvO₂低下は低心拍出量だけでなく、貧血・低酸素血症・酸素消費量増加でも起こります。
  • Fick法では、酸素消費量と動静脈酸素含量較差から心拍出量を計算します。
  • 「Fick法」と書かれていても、酸素消費量を実測したdirect Fickか、推定したestimated Fickかを区別する必要があります。
  • 左→右シャントがある場合、肺動脈酸素飽和度の上昇をSvO₂としてそのまま扱えません。
  • シャント症例ではQpとQsを分け、PVRの分母には肺血流量Qpを使用します。

01右心カテーテルでは何を測っているのか

右心カテーテル検査(right heart catheterization:RHC)では、 通常は頸静脈や大腿静脈などからカテーテルを挿入し、 右房、右室、肺動脈、肺動脈楔入部へ進めます。

静脈
右房・右室
肺動脈
肺動脈楔入

得られる情報は、大きく「圧」「血流」「酸素需給」の3つに分けると理解しやすくなります。

評価主な指標何を見るか
圧RAP、PAP、PAWP右心・肺循環・左房側の圧負荷、うっ血
血流CO、CI、Qp、Qs全身・肺循環へどれだけ血液を送れているか
酸素需給SaO₂、SvO₂、CaO₂、CvO₂血流によって全身の酸素需要を満たせているか

右心カテーテルの本当の強みは、一つの圧を見ることではありません。 圧・流量・酸素の情報が、同じ患者の循環を矛盾なく説明できるかを確認できることにあります。

循環器診療のポイント mPAPが高いことだけでは、肺血管抵抗が高いとは限りません。 PAWP上昇、高心拍出量、左→右シャントなどでも肺動脈圧は上昇します。 「圧」だけではなく、必ず「流量」を合わせて評価します。

02数値を読む前に、測定が正しいかを確認する

右心カテーテルでは数mmHgの差が病型分類を変えることがあります。 そのため、数字を解釈する前に測定条件を確認する必要があります。

ゼロ点

圧トランスデューサーの高さがずれれば、測定される圧もずれます。 5cmの高さの違いは、およそ3.7mmHgに相当します。

PAWPが13mmHgなのか17mmHgなのかが診断上重要な場面では、 これは決して小さな差ではありません。

呼吸性変動

胸腔内圧は呼吸によって変動します。 原則として息こらえをさせず呼気終末で評価しますが、 COPD、肥満、人工呼吸管理、運動負荷などでは単一拍の値だけではなく、 複数呼吸周期の平均値も含めて判断します。[1][2]

PAWPとLVEDPは同じではない

PAWPは適切な条件では左房圧を反映します。 一方、LVEDPは左室の拡張末期圧です。

つまり、平均PAWPとLVEDPは測っている場所も、時間的な意味も異なります。 心房細動、僧帽弁疾患、大きなV波などでは両者が乖離することがあります。[4]

重要 PAWPとLVEDPが異なるからといって、直ちにどちらかを「誤測定」と判断するべきではありません。 波形、測定時相、左房病態、僧帽弁疾患、呼吸条件を確認します。

03肺動脈酸素飽和度 SvO₂とは

肺動脈を流れているのは、肺で酸素化される前の血液です。

全身組織
酸素を消費
→
右心系
静脈血が混合
→
肺動脈
SvO₂を測定

上大静脈、下大静脈、冠静脈洞などから戻った血液が右房・右室で混ざり、 肺動脈へ流れます。

この肺動脈血の酸素飽和度を、条件が整っていれば 混合静脈血酸素飽和度(mixed venous oxygen saturation:SvO₂) として評価できます。

SvO₂の参考値 2022 ESC/ERS肺高血圧ガイドラインおよびJCS/JPCPHS 2025ガイドラインでは、 SvO₂の参考値として65〜80%が示されています。 ただし、これは「この範囲なら循環が正常」という意味ではありません。

SvO₂の評価には、非楔入状態の肺動脈血を用います。楔入の妥当性を確かめるために採取する楔入血は、閉塞が適切なら肺静脈・左房血に近い酸素化を示すため、SvO₂として代入しません。不完全な楔入でPAWPが疑わしい場合は、波形と採血条件を再確認します。[5]

ScvO₂とSvO₂は同じではない

中心静脈血酸素飽和度(ScvO₂)は、一般に上大静脈付近から採血した値です。 SvO₂は肺動脈で測定し、下大静脈や冠静脈洞を含む全身から戻った血液の混合を反映します。

したがって、ScvO₂とSvO₂の間に一定の換算係数を置いて 「ScvO₂−5%=SvO₂」のように扱うことはできません。

04酸素飽和度と酸素含量は違う

ここはSvO₂を理解するうえで最も重要な部分です。

酸素飽和度は、ヘモグロビンの酸素結合部位のうち、 どの程度が酸素で占められているかを表します。

一方、血液が実際に運搬している酸素量は 酸素含量(oxygen content)で考えます。

CaO₂ = 1.34 × Hb × SaO₂ + 0.0031 × PaO₂
CvO₂ = 1.34 × Hb × SvO₂ + 0.0031 × PvO₂

Hbが10g/dLの患者と15g/dLの患者では、SaO₂が同じ98%でも、 血液1dLあたりに運べる酸素量は大きく異なります。

上式の酸素含量はmL O₂/dL、Hbはg/dL、PaO₂・PvO₂はmmHgです。SaO₂・SvO₂は98%なら0.98という小数で代入します。以下の計算例では溶存酸素の項を省略しています。酸素投与条件によっては溶存酸素の寄与も確認します。

例:SaO₂ 98%でも、貧血があれば酸素運搬能は低下する

Hb 15g/dLの場合
1.34 × 15 × 0.98 ≒ 19.7mL O₂/dL

Hb 8g/dLの場合
1.34 × 8 × 0.98 ≒ 10.5mL O₂/dL

SpO₂が98%であっても、重度の貧血があれば全身への酸素供給は十分とは限りません。 飽和度と酸素運搬量は別の概念です。

05Fick法からSvO₂を理解する

Fickの原理では、 全身が1分間に消費した酸素量は、 血流量と動静脈酸素含量較差の積に等しいと考えます。

VO₂ = 10 × CO ×(CaO₂ − CvO₂)

ここではVO₂をmL O₂/min、COをL/min、酸素含量をmL O₂/dLで表します。係数10は、血流のLをdLへ換算するための値です。定常状態で、シャントがなく、動脈血と混合静脈血が正しく採取されていることを前提とします。

これを心拍出量COについて変形すると、

CO = VO₂ ÷ {10 ×(CaO₂ − CvO₂)}

となります。

溶存酸素を無視してさらに整理すると、 SvO₂は概念的に次の関係で決まります。

SvO₂ ≒ SaO₂ − VO₂ ÷(13.4 × Hb × CO)

この式を見ると、SvO₂を決める主要因が明確になります。

変化SvO₂理由
CO低下↓少ない血液からより多くの酸素を取り出す必要がある
Hb低下↓方向単位血液量あたりの酸素運搬量が減る
SaO₂低下↓組織へ届く前から酸素含量が少ない
VO₂増加↓組織で消費する酸素量が増える

DO₂と酸素抽出率

DO₂ = 10 × CO × CaO₂
O₂ER =(CaO₂ − CvO₂)÷ CaO₂

SvO₂とは結局、 酸素供給DO₂と酸素消費VO₂のバランスの結果として残った静脈血側の酸素 と考えると理解しやすくなります。

実際に計算してみる

仮想症例
Hb 10g/dL
SaO₂ 98%
SvO₂ 65%
VO₂ 250mL/min

CaO₂ − CvO₂
=1.34 × 10 ×(0.98−0.65)
=4.422mL/dL

CO
=250 ÷(10 × 4.422)
=約5.65L/min
重要な落とし穴 Fick法によるCO計算にSvO₂そのものを使っています。 したがって「SvO₂が低く、Fick-COも低かった」という2つの所見は、 完全に独立した2つの証拠ではありません。

06SvO₂が低いとき・高いときに何を考えるか

SvO₂が低い場合

  • 低心拍出量
  • 貧血
  • 動脈血酸素化低下
  • 発熱・運動・痙攣などによる酸素消費量増加
  • 循環不全に伴う組織酸素抽出増加

したがって、SvO₂低値を見て直ちに 「強心薬が必要」と結論づけることはできません。

Hb、SaO₂、VO₂、COを分けて考える必要があります。

SvO₂が高い場合

  • 高心拍出量
  • 酸素消費量低下
  • 組織での酸素抽出障害
  • 左→右シャント
  • 採血部位の問題
  • 楔入血を誤って採血した場合
「SvO₂が高い=循環良好」ではありません 敗血症などでは組織で酸素を十分利用できず、 静脈側に酸素が残ることでSvO₂が高値を示す場合があります。 SvO₂は全身の平均値であり、局所的な低灌流を完全には捉えられません。

07直接Fick法・推定Fick法・熱希釈法の違い

カテーテルレポートに「Fick」と書かれていても、 酸素消費量VO₂を本当に測定しているとは限りません。

方法原理注意点
直接Fick法VO₂を実測してCOを計算VO₂測定、採血の同時性、定常状態が重要
推定Fick法VO₂を体格などから推定実際の代謝状態との乖離がCO誤差になる
熱希釈法注入液による温度変化からCOを算出反復測定、注入条件、曲線の再現性を確認

VO₂の推定誤差は、そのままCOへ伝わる

Fick式ではVO₂が分子にあります。

実際のVO₂が200mL/minなのに250mL/minとして計算すれば、 その他の条件が同じならCOは25%過大評価されます。

したがって、移植適応や高度肺高血圧など、 COやPVRのわずかな違いが意思決定に影響する場面では、 「Fick法」という名前だけではなく、 VO₂を実測したのか推定したのかを確認する必要があります。

三尖弁逆流があれば熱希釈法は使えない?

ガイドラインでは、COを直接Fick法または熱希釈法で測定し、熱希釈法は少なくとも3回の測定の平均を用います。心内シャントがある場合は熱希釈法の値をそのまま採用せず、Fick法で肺血流と体血流を分けて評価します。酸素消費量を推定したFick法は、実測した直接Fick法とは異なり、推定誤差にも注意が必要です。[1][2][3]

重症三尖弁逆流が熱希釈法に影響を与える可能性はあります。 しかし、三尖弁逆流が存在するという理由だけで熱希釈法を完全に捨て、 推定Fick法を無条件に採用するのも適切ではありません。

実際には、反復測定の再現性、熱希釈曲線、心房細動、 シャントの有無、直接Fick法との乖離などを総合して判断します。

08PVRと肺高血圧をどう読むか

現在の肺高血圧の血行動態分類では、 平均肺動脈圧だけではなくPAWPとPVRを組み合わせます。

分類mPAPPAWPPVR
肺高血圧>20mmHg--
前毛細血管性PH>20mmHg≤15mmHg>2WU
IpcPH>20mmHg>15mmHg≤2WU
CpcPH>20mmHg>15mmHg>2WU

2022 ESC/ERS GuidelinesおよびJCS/JPCPHS 2025 Guidelineに基づく。[1][2]

PVR =(mPAP − PAWP)÷ CO

ここで重要なのは、PVRには流量が分母として入っていることです。上の式はシャントがなく肺血流量と体血流量が等しい場合の表記です。圧をmmHg、流量をL/minで表すとPVRの単位はWood単位(WU)になります。シャントがある場合は、後述のとおり肺血流量Qpを用います。

mPAP 35mmHg、PAWP 15mmHgの場合

CO 4L/min → PVR = 5WU
CO 6L/min → PVR = 3.3WU

つまり圧の測定が全く同じでも、CO測定法が違うだけでPVRが大きく変わり、 肺高血圧の評価や治療方針に影響する可能性があります。

肺動脈圧が下がった=改善とは限らない

mPAP ≒ PAWP + PVR × CO

この関係から分かるように、肺動脈圧はPVRだけではなくCOにも依存します。

右室不全が進行してCOが著しく低下すれば、 肺血管病変が改善していなくても肺動脈圧が下がることがあります。

重症肺高血圧では「圧だけ」を追わない mPAPだけでなく、RAP、CI、SvO₂、PVR、右室機能を合わせて評価します。

09肺動脈酸素飽和度が高いときは左→右シャントを考える

左→右シャントが存在すると、 酸素化された左心系の血液が右心系・肺動脈へ流入します。

そのため肺動脈血の酸素飽和度が高くなり、 「全身から戻ってきた混合静脈血」というSvO₂の前提が崩れます。

SvO₂ >75%ではシャントを意識 ESC/ERSガイドラインおよびJCS/JPCPHS 2025ガイドラインでは、 SvO₂が75%を超える場合、 心内シャントを除外するための部位別酸素飽和度測定が推奨されています。

Step-upを見る

右心系の複数部位から採血し、 どこで酸素飽和度が急に上昇しているかを確認します。

SVC / IVC
RA
RV
PA

ただし、一つの検体の数%の差だけでシャントの存在・部位を断定することはできません。 採血位置、血流の混ざり方、測定誤差を考慮します。

QpとQs

シャントがなければ、定常状態では肺血流Qpと体血流Qsはほぼ等しくなります。

左→右シャントでは、左心系から右心系へ戻った血液が再び肺を流れるため、 通常はQp > Qsになります。

Qs = VO₂ ÷ {10 ×(CaO₂ − CmvO₂)}
Qp = VO₂ ÷ {10 ×(CpvO₂ − CpaO₂)}
Qp / Qs =(CaO₂ − CmvO₂)÷(CpvO₂ − CpaO₂)

PA酸素飽和度80%を、そのままSvO₂としてはいけない理由

仮想症例

Hb 10g/dL
VO₂ 250mL/min
体動脈SaO₂ 98%
肺静脈SpvO₂ 98%
真の混合静脈血SmvO₂ 65%
肺動脈SpaO₂ 80%

Qs ≒ 5.65L/min
Qp ≒ 10.36L/min
Qp/Qs ≒ 1.83

この患者で肺動脈酸素飽和度80%を通常のSvO₂としてFick式へ代入すると、 約10.4L/minという値が計算されます。

しかし、これは体血流Qsではなく、 肺血流Qpに対応する値です。

シャント症例で最も重要な点 PVRを計算するときの分母は、体血流Qsではなく肺血流Qpです。 「CO」という一つの欄だけを見て計算すると、 PVRを大きく誤る可能性があります。
PVR =(mPAP − PAWP)÷ Qp

10右心カテーテルを読むときの実践的な順序

実臨床では、一つ一つの数字を個別に見るより、 一定の順序で確認すると矛盾を見つけやすくなります。

Step 1:測定条件を確認する

  • 体位・ゼロ点は適切か
  • 呼気終末で測定できているか
  • PAWP波形は本当にwedgeしているか
  • 酸素投与条件は一定か
  • 採血部位は正しいか

Step 2:右房圧を見る

RAPは右心系の充満圧を反映します。 右室不全、容量過剰、心タンポナーデ、収縮性心膜炎など、 波形を含めて評価します。

Step 3:肺動脈圧とPAWPを見る

PAP上昇が、左房圧上昇によるのか、 肺血管抵抗上昇によるのか、 高肺血流によるのかを分けます。

Step 4:CO / CIを確認する

熱希釈法か、直接Fickか、推定Fickかを確認します。 数値が病態と合わなければ、測定法そのものを再検討します。

Step 5:SvO₂を見る

Hb、SaO₂、VO₂、COの条件と照合し、 酸素需給の観点から説明可能か確認します。

Step 6:PVRを計算する

mPAPとPAWPだけではなく、分母となる流量の信頼性まで確認します。

Step 7:全データが一つの循環を説明しているかを見る

最も大切な考え方 良い右心カテーテルの読み方とは、 数字をたくさん覚えることではありません。

RAP、PAP、PAWP、CO、SvO₂、PVRが、 同じ患者の循環を一つの生理学として矛盾なく説明できるか を確認することです。

矛盾する数値があれば、 「珍しい病態」を考える前に、 まず測定条件、採血位置、計算式、推定値を疑う必要があります。

11右心カテーテルは、どんな場面で重要か

右心カテーテルはすべての心不全患者に行う検査ではありません。 非侵襲的な検査だけでは血行動態を十分に評価できず、 その情報が診断や治療方針を変える場合に価値があります。

  • 肺高血圧の確定診断・病型分類
  • PAH・CTEPHが疑われる場合
  • 進行した心不全の血行動態評価
  • 心臓移植・補助人工心臓などの適応評価
  • 原因不明の労作時呼吸困難
  • 先天性心疾患・シャント疾患の評価
  • 非侵襲的検査と臨床像が一致しない場合

検査そのものを行うことが目的ではなく、 得られた血行動態が治療判断につながるかが重要です。

12姫路市で息切れ・むくみ・心不全が気になる方へ

息切れ、むくみ、動悸、胸部症状には、 心不全、不整脈、弁膜症、肺疾患、貧血などさまざまな原因があります。

すべての患者さんに右心カテーテルが必要なわけではありません。 まずは診察、心電図、採血、必要に応じた心エコーなどで評価し、 必要な場合には高次医療機関での詳しい検査につなげます。

早めに医療機関へ相談してほしい症状
  • 以前より歩いたときの息切れが強くなった
  • 足のむくみが増えた
  • 数日で急に体重が増えた
  • 横になると息苦しい
  • 動悸や失神を繰り返す
安静にしていても強い息苦しさがある、突然の強い胸痛、 意識消失などがある場合は、通常の外来受診を待たず119番へ連絡してください。

心臓と肺、両方の視点から原因を考えます

えぷろんクリニックでは循環器専門医と呼吸器専門医が在籍し、 息切れやむくみなど、心臓・肺のどちらが原因か分かりにくい症状についても診療しています。

診察、血圧管理、採血、心電図、必要に応じた心エコーなどを行い、 より高度な検査・入院治療が必要な場合には、地域の専門医療機関と連携します。 右心カテーテル検査は、実施体制のある専門医療機関で検討・実施する検査です。

姫路市で息切れ・むくみ・心不全にお悩みの方、 生活習慣病や心臓の病気が心配な方は、 えぷろんクリニックまでご相談ください。

13右心カテーテル・SvO₂のよくある質問

肺動脈酸素飽和度が低いと、心拍出量が低いということですか?
必ずしもそうではありません。 CO低下以外にも、貧血、低酸素血症、酸素消費量増加などでSvO₂は低下します。 Hb、SaO₂、VO₂を合わせて評価する必要があります。
SvO₂が高ければ循環は良好ですか?
そうとは限りません。 高心拍出量のほか、酸素消費量低下、組織での酸素抽出障害、 左→右シャントなどでも高値になることがあります。
中心静脈血酸素飽和度ScvO₂とSvO₂は同じですか?
同じではありません。 ScvO₂は主に上半身から戻る血液を反映し、 SvO₂は下大静脈や冠静脈洞を含む血液が混合した後の肺動脈で測定します。
Fick法と熱希釈法では、どちらが正確ですか?
病態や測定条件によって異なります。 特に「Fick法」が実測VO₂を用いた直接Fickなのか、 VO₂を推定したestimated Fickなのかを区別することが重要です。 両者が大きく乖離する場合は、測定条件を再確認します。
姫路市で息切れや心不全について相談できますか?
えぷろんクリニックの内科・循環器内科でご相談いただけます。 診察、採血、心電図、心エコーなどを行い、 右心カテーテルなどの高度な検査が必要な場合には専門医療機関と連携します。
記事の発信元
えぷろんクリニック 内科・循環器内科
院長 松尾 晃樹(プロフィール)
日本循環器学会認定 循環器専門医

本記事は医療・医学に関する一般的な情報提供を目的としています。 個々の患者さんの診断や治療方針は、症状・診察・検査結果を踏まえて判断されます。

14参考文献・ガイドライン

  1. Humbert M, et al. 2022 ESC/ERS Guidelines for the diagnosis and treatment of pulmonary hypertension. Eur Heart J. 2022;43:3618-3731. ESC/ERS Guideline
  2. JCS/JPCPHS 2025 Guideline on Pulmonary Hypertension and Pulmonary Embolism/Deep Vein Thrombosis. Circ J. 2026;90:1484-1570. DOI: 10.1253/circj.CJ-25-1144. J-STAGE
  3. Opotowsky AR, et al. Thermodilution vs Estimated Fick Cardiac Output Measurement in Clinical Practice. JAMA Cardiol. 2017;2:1090-1099. DOI: 10.1001/jamacardio.2017.2945. 原著(PubMed)
  4. Hemnes AR, et al. Features Associated With Discordance Between Pulmonary Arterial Wedge Pressure and Left Ventricular End-Diastolic Pressure. Chest. 2018;154:1099-1107. DOI: 10.1016/j.chest.2018.08.1033. 原著(PubMed)
  5. Viray MC, et al. Role of Pulmonary Artery Wedge Pressure Saturation During Right Heart Catheterization. Circ Heart Fail. 2020;13:e007981. DOI: 10.1161/CIRCHEARTFAILURE.120.007981. 原著(PubMed)
  6. Eisman AS, et al. Pulmonary Capillary Wedge Pressure Patterns During Exercise Predict Exercise Capacity and Incident Heart Failure. Circ Heart Fail. 2018;11:e004750. DOI: 10.1161/CIRCHEARTFAILURE.117.004750. 原著(PubMed)

図表・計算例は上記ガイドライン・文献を基に、えぷろんクリニックが解説目的で独自に作成しています。 数値は教育目的の仮想症例を含みます。