漢方薬は、自然の植物・鉱物・動物などを原料とした生薬を組み合わせた薬です。
日本では医師が保険診療の中で処方できる漢方薬(エキス製剤)が148種類あり、西洋薬と同じように保険適用で処方することができます。
漢方の考え方では、症状だけでなく「その人の体質・体力・体の状態(証)」を総合的に判断して薬を選びます。
同じ「だるさ」でも、その人の状態によって適する漢方薬が異なります。
西洋医学だけでは対応しにくい症状があることを、日々の診療の中で実感しています。
「検査では異常がないのに、なんとなくしんどい」
「薬を飲んでいるが、だるさや冷えが取れない」
——そのような訴えに、漢方薬が有効なことがあります。
えぷろんクリニックでは、西洋薬と漢方薬を組み合わせることで、より患者さん一人ひとりの状態に合った診療を提供したいと考えています。
循環器・呼吸器の専門医として、動悸・息切れ・むくみ・長引く咳など、当院の得意とする症状に対して漢方を積極的に活用しています。
漢方薬は以下のような症状に用いることがあります。
症状が気になる方はお気軽にご相談ください。
■ 循環器・呼吸器系の症状
| 症状・お悩み | 代表的な漢方薬 | ポイント |
|---|---|---|
| 動悸・息切れ | 炙甘草湯・苓桂朮甘湯・柴胡加竜骨牡蛎湯など | 西洋薬との併用でより症状が安定することがある |
| むくみ | 防已黄耆湯・五苓散・木防已湯など | 心不全・腎機能低下に伴うむくみにも用いることがある |
| 長引く咳 | 麦門冬湯・半夏厚朴湯・柴朴湯など | 喘息・咳喘息・乾いた咳に使われることが多い |
| 息切れ・呼吸困難感 | 補中益気湯・人参養栄湯など | 慢性的な体力低下・COPDの補助療法として |
| 高血圧の随伴症状 | 釣藤散・七物降下湯など | 血圧そのものより、頭重感・めまい・肩こりへのアプローチ |
■ 全身症状・体質改善
| 症状・お悩み | 代表的な漢方薬 | ポイント |
|---|---|---|
| だるさ・疲れやすさ | 補中益気湯・十全大補湯・人参養栄湯など | 体力低下・慢性疲労に広く用いられる代表的な漢方 |
| 冷え症 | 当帰四逆加呉茱萸生姜湯・附子理中湯・当帰芍薬散など | 冷えの部位・体質によって使い分ける |
| 不眠・睡眠の浅さ | 酸棗仁湯・加味帰脾湯・柴胡加竜骨牡蛎湯など | 西洋の睡眠薬に抵抗がある方へ |
| 食欲不振・胃腸の不調 | 六君子湯・半夏瀉心湯・平胃散など | 慢性的な胃もたれ・食欲低下に |
| めまい・ふらつき | 釣藤散苓桂朮甘湯・半夏白朮天麻湯・真武湯など | 循環器的な評価と合わせて判断 |
| イライラ・気分の落ち込み | 加味逍遙散・半夏厚朴湯・抑肝散など | 更年期症状・自律神経の乱れに |
| 頭痛・肩こり | 葛根湯・呉茱萸湯・釣藤散など | 緊張型頭痛・片頭痛の補助に |
| 花粉症・アレルギー性鼻炎 | 小青竜湯・葛根湯加川芎辛夷など | 抗アレルギー薬と組み合わせて使用することも |
| 西洋薬 | 漢方薬 |
|---|---|
| 特定の症状・疾患に対して強力に効く | 全体的な体のバランスを整えるアプローチ |
| 効果が出るのが比較的早い | じっくりと体質から改善していく |
| 「この症状にはこの薬」という明確な対応 | 同じ症状でも体質・証によって薬が変わる |
| 数値(血圧・血糖値など)の改善に強い | 「なんとなくしんどい」「検査では異常なし」に対応できる |
| 副作用が出る場合がある | 副作用が比較的少ない(ただしゼロではない) |
えぷろんクリニックでは、西洋薬と漢方薬を「どちらか」ではなく「組み合わせる」という考え方で処方しています。
西洋薬で数値をコントロールしながら、漢方で体全体の調子を整えるアプローチが可能です。
漢方薬は保険診療で処方できます。
当院では、保険適用の漢方エキス製剤を処方しています。
特別な費用はかかりません。通常の保険診療(3割負担など)で漢方薬を処方することができます。
※ 保険適用外の漢方(煎じ薬など)は当院では処方していません。
Q 漢方薬は保険で処方してもらえますか?
A
はい。当院では保険適用の漢方エキス製剤を処方しています。
通常の保険診療(3割負担など)で処方できます。追加費用はかかりません。
Q 西洋薬と漢方薬を同時に飲んでも大丈夫ですか?
A
多くの場合、西洋薬と漢方薬の併用は可能です。
ただし、飲み合わせの確認が必要な場合もあるため、現在服用中のお薬をお伝えください。
Q 漢方はどのくらいで効果が出ますか?
A
症状によって異なります。
急性期の症状(風邪・咳など)は数日で効果が出ることもありますが、体質改善・慢性症状は1〜3か月程度継続して服用することで効果が出やすくなります。
Q 漢方薬に副作用はありますか?
A
漢方薬は比較的副作用が少ないですが、ゼロではありません。
まれに胃腸症状・アレルギー反応が出ることがあります。
気になる症状が出た場合はすぐにご相談ください。
Q 煎じ薬は処方してもらえますか?
A
当院では保険適用の漢方エキス製剤(顆粒・錠剤)を処方しています。
煎じ薬の処方は行っていません。
Q どんな症状でも漢方で対応できますか?
A
漢方が特に得意とする症状と、西洋薬の方が適している症状があります。
診察の中で判断し、最適な治療法をご提案します。
これまで「田中クリニック」として診療を行ってまいりましたが、2025年12月1日より松尾医師が院長として引き継ぎ、名称を「えぷろんクリニック」へ変更いたします。
今後とも地域の皆さまに信頼される医療を提供できるよう努めてまいりますので、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。