えぷろんクリニック | からだの話

「夕方になると靴がきつい」「朝、まぶたが腫れぼったい」「片足だけ太くなった」。同じむくみでも、原因と必要な対応は違います。

むくみは、皮膚の下などに余分な水分がたまった状態です。長時間の立ち仕事や座り仕事でも起こりますが、心臓・腎臓・肝臓の病気、血栓、薬の副作用が関わることもあります。まずはどこに・いつから・ほかに何の症状があるかを確認しましょう。[1][2]

原稿作成:2026年10月21日

危険なむくみのサイン|すぐ受診すべき症状は?

「むくみがひどいか」だけでなく、急に起きたか、息苦しさ・痛み・発熱を伴うかが重要です。押した跡の深さだけで緊急性を判断することはできません。

救急車を呼ぶ目安

急な呼吸困難・胸痛・のどの腫れ

  • 急に息が苦しくなった、安静でも強く息苦しい
  • 足の腫れとともに胸痛、失神、血の混じったせきが出る
  • 舌・のどが腫れる、声が急にかすれる、飲み込みにくい、呼吸しにくい

肺の血管に血栓が詰まる肺塞栓症、急性心不全、重いアレルギー反応などが考えられます。119番へ連絡し、自分で運転しないでください。[2][3][4]

当日中に相談

片足の急な腫れ・赤み・尿の減少

  • 片足だけ急にむくんだ、左右差が新しく出た
  • 腫れた部分が赤い・熱い・痛い、発熱もある
  • 尿が明らかに減り、むくみが急に広がっている
  • むくみとともに、新しい息切れや横になると苦しい症状がある

深部静脈血栓症、感染症、心臓や腎臓の病気などの確認が必要です。片足の血栓は、痛みや赤みが目立たない場合もあります。[1][3][6]

数日以内を目安に受診

続く・繰り返す・だんだん悪化する

朝になっても引かない、数日続く、靴や指輪が以前よりきつい、生活に支障がある場合は、内科で相談しましょう。心臓病・腎臓病・肝臓病がある方は、普段と違うむくみを早めに主治医へ伝えてください。[2][10]

むくみとは? 皮膚の下に水分がたまる仕組み

むくみは、医学用語で浮腫(ふしゅ)といいます。体の水分は、血管の中だけでなく細胞の周囲にも存在し、物質の受け渡しを支えています。血管から周囲へ出る水分と、リンパ管などを通じて戻る水分の釣り合いが崩れると、組織に水分がたまります。[9][10]

01

押し出す圧が高い

静脈に血液が滞り、水分が血管の外へ出やすくなる

心不全・静脈のうっ滞など
02

水分を保つ力が弱い

血液中のアルブミンが減り、水分が組織に移りやすくなる

ネフローゼ・肝臓病など
03

血管から漏れやすい

炎症などで、血管の壁を水分が通りやすくなる

感染・アレルギーなど
04

回収が追いつかない

組織の水分を回収するリンパの流れが悪くなる

リンパ浮腫など
むくみが起きる代表的な仕組みの概念図。腎臓から塩分・水分を出しにくくなることも関わり、複数の仕組みが重なる場合があります。[1][6][9][10]

大切なのは、「皮膚の下がむくんでいる」ことと「血管の中の水分が多い」ことは同じではないという点です。体の水分が増える病気もあれば、水分の分布や血管の圧が主に変わる場合もあります。そのため、飲水を減らしたり、利尿薬を使ったりすれば解決するとは限りません。[6][7][8]

押すとへこむむくみと、へこまないむくみ

すねや足首を指の腹で数秒ほど押し、へこみがしばらく残るものを「圧痕性浮腫」と呼びます。心不全、腎臓病、静脈のうっ滞などでみられますが、へこみの有無だけでは原因を特定できません。リンパ浮腫も初期にはへこむことがあり、進行して皮膚が硬くなるとへこみにくくなります。痛み・赤み・傷がある部分を、無理に押す必要はありません。[1][9][16]

足・顔・手のむくみ|場所と左右差から考える原因

むくみの場所や時間帯は診察の手掛かりになります。ただし、「両足だから安全」「朝の顔のむくみだから腎臓病」とは判断できません。次の表は診断表ではなく、受診時に伝えるポイントを整理したものです。

むくみのパターンと確認したいこと
場所・特徴考える主な原因対応の目安
夕方の両足、休むと軽くなる長時間の立位・座位、静脈のうっ滞、薬の影響など続く・悪化するなら内科へ
片足だけ急に腫れる深部静脈血栓症、感染、けがなど当日中に相談。息苦しさ・胸痛を伴えば救急
両足+息切れ・体重増加心不全、腎臓病など早めに相談。急な悪化は当日中、強い呼吸困難は119番
朝のまぶた・顔が腫れぼったい一時的な体液の移動、塩分、腎臓病、甲状腺の病気など持続・反復するなら尿・血液検査を検討
唇・舌・のどが突然腫れる血管性浮腫、アレルギー反応など舌・のどの腫れ、呼吸・嚥下の異常は119番
片腕・片手が腫れるリンパ浮腫、血栓、炎症など急な腫れは早急に相談。がん治療歴も伝える

表の根拠:参考文献 [1–4,6,8–10]。複数の原因が同時に存在することもあります。

「朝は顔、夕方は足」になるのはなぜ?

立っている日中は重力の影響で足に水分がたまりやすく、横になって休むと分布が変わります。まぶたは少しの水分の変化でも腫れぼったく見えるため、時間帯でむくむ場所が変わることがあります。朝に軽くなることだけで病気を否定することはできません。尿の異常や息切れがないかも確認しましょう。[1][6][10]

寝たきりの方は、足以外にもむくみが出る

むくみは低い位置に現れやすいため、長く横になっている方では、背中・腰などに目立つことがあります。歩いている人と同じように足首だけを見ていると、体液の変化を見落とす可能性があります。体重、呼吸、食事、尿量の変化も合わせて観察します。[1][7]

むくみの主な原因|生活習慣から心臓・腎臓の病気まで

長時間の立ち仕事・座り仕事、運動不足

ふくらはぎの筋肉には、足の静脈の血液を心臓へ戻す手助けをする「筋ポンプ作用」があります。同じ姿勢が続いて筋肉をあまり使わないと、足に血液や水分が滞りやすくなります。夕方に両足がむくみ、歩いたり休んだりすると軽くなる場合に考えます。高齢の方や、車いすで長く過ごす方にもみられます。[1]

塩分の多い食事、飲酒、月経前の変化

塩分を多く取ると、体は水分を保持しやすくなります。外食や加工食品、汁物が重なった後にむくみが目立つことがあります。飲酒後や月経前に、一時的なむくみを感じる方もいます。ただし、毎月の変化だと思っていた症状が強くなる、月経と関係なく続く、ほかの症状を伴う場合は、別の原因を確認します。[2][10]

心不全|むくみに息切れ・体重増加が重なる

心不全は、心臓の働きに問題が生じ、血液を送り出したり受け入れたりすることが十分にできず、息切れやむくみなどが現れる状態です。静脈の圧が高くなることや、腎臓が塩分・水分を保持することなどが関わります。

注意したいのは、以前より歩くと息切れする、横になると苦しい、夜間に息苦しくて起きる、短期間で体重が増えるといった変化です。心臓の収縮率が保たれているタイプの心不全もあるため、「心臓の動きは悪くないと言われた」ことだけでは否定できません。一方、足がむくんでいるだけで心不全とも断定できません。問診、診察、心電図、BNP・NT-proBNPなどの採血、心エコーを組み合わせて判断します。[7]

関連:心不全について詳しく知る

腎臓病・ネフローゼ症候群|尿検査も大切

腎臓から余分な塩分や水分を出しにくくなると、むくみが起こります。また、尿に大量のタンパク質が漏れるネフローゼ症候群では、血液中のアルブミンが減ることなどにより、顔や足を含む広い範囲がむくむことがあります。

尿が明らかに減った、血尿がある、健診で尿タンパクを指摘された場合は伝えてください。尿の泡立ちだけではタンパク尿の有無は判断できず、見た目が普通でも尿検査で異常が見つかることがあります。腎機能の採血だけでなく、尿タンパクなどの確認も重要です。[6][17]

肝臓病・アルブミン低下|栄養以外の原因もある

進行した肝臓病では、アルブミンを作る働きの低下、血流やホルモンの変化などが重なり、足のむくみや腹水が現れることがあります。お腹の張り、黄疸なども手掛かりになります。[10][11]

食事が十分に取れない場合にもむくみは起こり得ます。ただし、アルブミン低値を「タンパク質不足」とだけ決めつけることはできません。尿や腸へのタンパクの喪失、肝臓病なども調べます。腎臓病で食事の指示がある方は、自己判断でプロテインを増やす前に相談してください。[1][6][18]

下肢静脈瘤・慢性静脈不全|血液が戻りにくくなる

足の静脈の弁がうまく働かないと、血液が逆流・うっ滞し、むくみや重だるさにつながります。血管が浮き出る、夕方に悪化する、足首付近の皮膚が茶色くなる、湿疹や傷を繰り返すなどが手掛かりです。両足にも片足にも起こり得ます。必要に応じて下肢静脈エコーで調べます。[1][15]

深部静脈血栓症|片足の急なむくみは放置しない

足の深い静脈に血の塊ができる病気です。手術後、長期の安静、長距離移動、がん、妊娠・産後、一部のホルモン製剤の使用などがリスクになります。明確なきっかけがない場合にも起こります。

片足が急に腫れたときは、痛みの有無にかかわらず早く評価することが大切です。血栓が肺に流れると肺塞栓症を起こすため、息苦しさや胸痛が加わったら119番へ連絡してください。診断前に強く揉んだり、運動で無理に治そうとしたりせず、受診を優先しましょう。[3]

リンパ浮腫|がん治療の後、時間がたってから出ることも

リンパ管による水分の回収がうまくいかなくなり、腕や足などがむくむ状態です。生まれつきの原因のほか、リンパ節の切除や放射線治療などが関わり、治療から何年もたってから現れることもあります。初期は柔らかくても、長く続くと皮膚が硬くなることがあります。圧迫療法、運動、スキンケア、専門的な用手的リンパドレナージなどを状態に合わせて組み合わせます。[9]

甲状腺機能低下症、感染症、アレルギーなど

甲状腺の働きが低下すると、むくみに加え、寒がり、疲れやすさ、体重増加、皮膚の乾燥などが現れることがあります。症状だけでは診断できず、必要に応じて甲状腺ホルモンなどを採血します。[1][12]

赤く熱を持って痛む腫れでは、蜂窩織炎などの感染症も考えます。また、顔・唇・舌が急に腫れる血管性浮腫は、アレルギー以外に薬などが原因になることもあり、じんましんが出ない場合もあります。のどや呼吸の異常は救急対応が必要です。[1][4]

薬の副作用でむくむこともある|お薬手帳を確認

むくみを調べるときは、持病だけでなく、薬を始めた時期や増量した時期も確認します。処方薬に加え、市販の鎮痛薬、漢方薬、サプリメントも伝えてください。

むくみに関わることがある薬の例
薬の種類・例確認すること
カルシウム拮抗薬
アムロジピンなど
開始・増量後に足首がむくむことがあります。全身の水分過剰だけが原因ではなく、利尿薬を足しても改善しにくい場合があります。
NSAIDs
一部の痛み止め
腎臓での塩分・水分の排泄に影響することがあり、心不全や腎機能低下がある方では特に注意します。
ピオグリタゾン
糖尿病治療薬の一つ
体液貯留や心不全の発症・悪化を起こすことがあります。心不全がある方・心不全の既往がある方には使用できません。服用中に新しいむくみ、急な体重増加、息切れなどが現れた場合は、電子添文の指示に従って服用を中止し、直ちに受診してください。強い息苦しさがあれば119番へ連絡してください。[22]
副腎皮質ステロイド、一部のホルモン製剤など薬の種類や量によって体液に影響する場合があります。新規開始・増量との関係を確認します。
甘草を含む漢方薬など偽アルドステロン症によるむくみ、血圧上昇、低カリウム血症を起こすことがあります。脱力やこむら返りも伝えてください。

参考文献 [1,2,8,13,22]。すべての薬・副作用を網羅した表ではありません。

むくみの対処法・解消法|自分でできることと注意点

ここで紹介するのは、急な片足の腫れ、赤み・痛み、息苦しさなどの危険なサインがない、軽いむくみへの一般的な対処です。原因が分からないまま対処だけを続けず、持続・悪化する場合は受診してください。

1.同じ姿勢を続けず、足首・ふくらはぎを動かす

座り仕事では、合間に足首を曲げ伸ばしし、可能なら立って少し歩きます。立ち仕事でも姿勢を変え、休憩を取りましょう。運動の目的は、ふくらはぎのポンプを働かせることです。転倒しやすい方は、座ったままの足首運動から始められます。痛みや息切れが出る場合は無理をしないでください。[1][2]

2.休むときに、足を少し高くする

クッションなどで足を支えると、姿勢によるむくみが軽くなることがあります。膝の裏だけを強く圧迫しないよう、楽な姿勢を選びましょう。横になると息苦しい方は、足上げで様子を見続けず受診してください。[1][2][7]

3.塩分が重なっていないか、食事を見直す

汁物や麺のスープを飲み干さない、漬物・加工食品の量を見直す、調味料はかける前に味を確かめるなど、続けやすい方法を選びます。減塩の目標は、血圧、心臓・腎臓の状態、食事量などに応じて決めます。むくみを取る目的で極端に食事を減らすと、栄養状態を悪くするおそれがあります。[7][18]

4.水分を極端に減らさない。無理に大量に飲まない

「むくみがあるから水を飲まない」「水をたくさん飲んで流す」という一律の方法は勧められません。適量は体格、気温、発汗、心臓・腎臓の状態などによって変わります。水分制限の指示がある方は、その量を主治医に確認してください。利尿薬の服用中や暑い時期には、過度な制限による脱水にも注意が必要です。[7][18]

5.カリウムのサプリメントや「むくみ取り食品」に頼りすぎない

むくみを取るために、バナナなど特定の食品やカリウムを大量に取る必要はありません。腎機能が低下している方や、一部の心臓・血圧の薬を飲んでいる方は、カリウムが高くなりすぎることがあります。カリウム入りの減塩塩、サプリメントも自己判断で増やさず相談してください。食事は検査値と病状に合わせて調整します。[14][18]

6.着圧ソックス・弾性ストッキングは、適した人に使う

静脈のうっ滞やリンパ浮腫では、圧迫療法が役立つ場合があります。ただし、圧の強さやサイズを適切に選ぶ必要があります。足の動脈の血流が悪い方、心不全が急に悪化している方、感覚の低下がある方などは、医療者による評価が必要です。

原因不明の片足の急な腫れに、まず着圧ソックスを履いて様子を見ることは避けてください。診断後に医療者が圧迫を使う場合と、診断前の自己対処は区別しましょう。装着中に足先が冷たい、色が変わる、痛い、しびれる場合は外して相談してください。[9][15][19]

7.強いマッサージより、原因の確認を優先する

赤い・熱い・痛い足や、急に片足だけ腫れた状態を強く揉まないでください。リンパ浮腫の治療に使う用手的リンパドレナージは、専門家が状態を確認したうえで行う穏やかな手技で、強く揉むマッサージとは異なります。[3][9]

また、汗をかけば原因が治るわけではありません。サウナや長風呂で無理に汗を出すより、病状に合った運動、休息、食事、治療を選ぶことが大切です。[7][9]

8.皮膚を清潔に保ち、乾燥や傷を防ぐ

むくみが続く皮膚は、傷や炎症に注意が必要です。足をやさしく洗って水分を拭き取り、乾燥する部分を保湿します。靴ずれや傷、赤み、水虫などにも気を配りましょう。傷が治りにくい、赤みが広がる、発熱がある場合は受診してください。[2][9]

むくみは何科に行く? 検査と治療の考え方

原因が分からなければ、まず内科へ

足・顔・全身のむくみの原因が分からない場合は、内科が相談先になります。息切れや心臓病がある場合は循環器内科、尿の異常や腎機能低下がある場合は腎臓内科などにつなぎます。静脈の病気は血管外科など、がん治療後のリンパ浮腫は治療を受けた医療機関やリンパ浮腫外来へ相談できます。妊娠中・産後は産婦人科に連絡してください。[3][5][9][10]

診察では、何を調べる?

いつから、どこが、どんな時間にむくむかを聞き、血圧、呼吸、心臓や肺の音、皮膚、左右差などを確認します。検査は、疑う原因に応じて選びます。

むくみで検討する主な検査
検査確認すること
尿検査尿タンパク、尿潜血など。腎臓からタンパクが漏れていないか
血液検査腎機能、電解質、肝機能、アルブミンなど。必要に応じて甲状腺機能、BNP・NT-proBNP、炎症反応など
心電図・心エコー・胸部X線心臓の病気や、肺のうっ血などが疑われる場合に実施
下肢静脈エコーなど深部静脈血栓症、静脈の逆流など。状況に応じてCTなども検討

参考文献 [1,3,6,7,12,17]。すべての人にすべての検査を行うわけではありません。

血栓が疑われる場合のDダイマーや、心不全が疑われる場合のBNP・NT-proBNPも、数値だけで診断を確定する検査ではありません。症状、持病、診察、画像検査などと合わせて医師が解釈します。[7][20]

治療は「むくみを取る薬」より、原因に合わせて選ぶ

体液過剰がある心不全などでは、利尿薬で塩分・水分の排泄を促します。一方、薬の副作用なら薬剤調整、静脈の病気なら圧迫療法や血管の治療、リンパ浮腫なら複合的なケア、感染症なら抗菌薬などが検討されます。同じむくみでも必要な治療は異なるため、市販薬や漢方薬を追加する前に原因を確かめることが大切です。[1][7][8][9]

むくみで受診する前に|記録すると役立つ6つの項目

症状が診察時に軽くなっていることもあります。可能であれば、次の情報をメモしておくと、経過を伝えやすくなります。記録をそろえるために受診を遅らせる必要はありません。

  1. 始まった時期:急に出たか、数週間・数か月かけて出たか。
  2. 場所と左右差:足首、ふくらはぎ、顔、手など。写真があれば、日付と時間も残す。
  3. 時間帯:朝・夕のどちらが強いか、休むと軽くなるか。
  4. 体重の変化:可能なら同じ体重計で、起床後・排尿後など条件をそろえて測る。
  5. 一緒にある症状:息切れ、胸痛、痛み、発熱、尿量・尿の色の変化など。
  6. 薬と最近の出来事:お薬手帳、市販薬・漢方薬の名称、長距離移動、手術、がん治療、妊娠・産後など。

心不全などで通院中の方は、体重増加について主治医と決めた連絡基準があれば従ってください。「何kg増えたら必ず心不全」と一律には判断できません。[3][7][8]

むくみに関するよくある質問

Q.むくみをすぐに取る方法はありますか?

姿勢による軽いむくみなら、歩く、足首を動かす、休息時に足を上げることで軽くなる場合があります。ただし、すべてのむくみに効く即効法はありません。片足の急な腫れや息苦しさがある場合は、解消法を試すより受診を優先してください。[1][2]

Q.靴下の跡がついたら、病気のむくみですか?

靴下のゴムの強さや一時的なむくみでも跡はつくため、それだけでは病気といえません。以前より強い、朝も残る、左右差がある、息切れや体重増加を伴う場合は相談しましょう。[1][2]

Q.片足だけむくむのに、痛くない場合も受診が必要ですか?

原因不明の急な片足のむくみは、痛みがなくても当日中に相談してください。痛みがないことだけで血栓症を除外できません。息苦しさや胸痛を伴う場合は119番へ連絡してください。[3]

Q.顔のむくみは腎臓が悪いサインですか?

腎臓病で顔がむくむことはありますが、一時的な体液の分布、塩分、甲状腺の病気、アレルギーなどでも起こります。持続・反復するなら内科で相談を。舌やのどの腫れ、呼吸・飲み込みの異常は救急の目安です。[4][6][10]

Q.水を飲まないほうが、むくみは取れますか?

むくみだけを理由に極端に減らすと、脱水につながることがあります。反対に、大量に飲めば改善するわけでもありません。心不全や腎臓病などで指示がある場合は、病状に合った摂取量を主治医に確認してください。[7][18]

Q.むくみにバナナやカリウムのサプリは有効ですか?

特定の食品やサプリを、原因を問わずむくみの治療として勧めることはできません。腎機能低下や一部の薬の服用中は、高カリウム血症に注意が必要です。カリウム入りの減塩塩も含め、検査結果に合わせて相談しましょう。[14]

Q.高齢者の足のむくみは、年齢のせいですか?

筋力や活動量の低下、長時間座る生活は関わりますが、年齢だけでは説明できません。心臓・腎臓の病気や薬の影響が重なる場合もあるため、新しく出た・悪化したむくみは相談してください。[1]

Q.むくんでいるのに、血管の中は脱水ということがありますか?

あります。水分が組織に移動していても、例えば一部のネフローゼ症候群では、循環を保つために有効に働く血液量が減る場合があります。ただし、ネフローゼ症候群のすべてがこの状態ではありません。むくみの見た目だけで利尿薬の量や飲水量を決めず、診察や検査で判断します。[21]

Q.むくみには利尿薬や漢方薬を飲めばよいですか?

原因によって適否が変わります。利尿薬が効きにくい薬剤性のむくみもあり、漢方薬にも副作用があります。残薬や家族の薬を使わず、医師・薬剤師へ相談してください。[8][13]

Q.検査で異常がなければ、むくみは気にしなくてよいですか?

緊急性の高い原因がなく、軽いむくみなら経過を見ることもあります。ただし、初回の検査ですべての原因が確定するとは限りません。急な変化、新しい息切れ・痛み、範囲の拡大などがあれば再度相談してください。[1][2]

参考文献・情報源

学会、公的機関、医療機関の情報を参照し、一般の方向けに構成しています。情報確認日:2026年10月21日。個別の診断・治療は、診察と検査結果に基づいて判断します。

  1. 国立長寿医療研究センター「足の腫れ・むくみの原因は?」
  2. NHS. Swollen ankles, feet and legs (oedema).
  3. NHS. DVT (deep vein thrombosis).
  4. NHS. Angioedema.
  5. NHS. Swollen ankles, feet and fingers in pregnancy.
  6. 日本腎臓学会「腎臓がわるくなったときの症状」
  7. 日本循環器学会・日本心不全学会. JCS/JHFS 2025 Guideline on Diagnosis and Treatment of Heart Failure. Circulation Journal. 2025. doi:10.1253/circj.CJ-25-0002.
  8. NHS Specialist Pharmacy Service. Managing peripheral oedema caused by calcium channel blockers. 2026年5月26日更新.
  9. National Cancer Institute. Lymphedema.
  10. 済生会「むくみ」
  11. NIDDK. Definition & Facts for Cirrhosis.
  12. NIDDK. Hypothyroidism (Underactive Thyroid).
  13. 厚生労働省・PMDA「重篤副作用疾患別対応マニュアル 偽アルドステロン症」
  14. NIH Office of Dietary Supplements. Potassium: Fact Sheet for Health Professionals.
  15. Kingston and Richmond NHS Foundation Trust. Compression treatment.
  16. National Cancer Institute. Edema (Swelling) and Cancer Treatment.
  17. 日本腎臓学会「尿検査」
  18. NIDDK. Healthy Eating for Adults with Chronic Kidney Disease.
  19. Rabe E, et al. Risks and contraindications of medical compression treatment – A critical reappraisal. An international consensus statement. Phlebology. 2020;35:447–460.
  20. NICE. Venous thromboembolic diseases: diagnosis, management and thrombophilia testing. NG158. Recommendations.
  21. 日本腎臓学会掲載資料「エビデンスに基づくネフローゼ症候群診療ガイドライン2014」(循環血漿量低下を伴う病態の説明を参照)
  22. PMDA. ピオグリタゾン錠15mg・30mg「トーワ」電子添文(2026年3月改訂、第2版)。禁忌2.1、重要な基本的注意8.1、重大な副作用11.1.1・11.1.2。