LDL・体質・家族歴
血液検査でコレステロールが高いといわれて受診したのに、医師が足首の後ろを触っている。「血液の話なのに、どうして足首?」と不思議に感じるかもしれません。
実は、アキレス腱の厚みが、遺伝に関係するコレステロールの病気を見つける手掛かりになることがあります。痩せていることと、LDLコレステロールが低いことは同じではありません。[1][2]
コレステロールが、なぜアキレス腱と関係するの?
家族性高コレステロール血症、略してFHでは、生まれつきLDLコレステロールが高くなりやすくなります。LDL由来のコレステロールが腱に沈着すると、かかとの上にあるアキレス腱が厚くなることがあります。これを診察で確認するのです。[1]
ただし、足首を触れば自分で診断できるわけではありません。厚く見えてもけがなどの影響のことがあり、反対に、腱が目立って厚くなくてもFHは否定できません。必要に応じて画像検査を行い、血液検査や家族歴と合わせて判断します。[1][2]
痩せているのにLDLコレステロールが高い理由
LDLコレステロールは、食事の影響だけで決まる数値ではありません。FHでは、血液中のLDLを回収する仕組みに遺伝的な違いがあることなどにより、高い値が続きます。日本動脈硬化学会は、FHの頻度を一般人口の約300人に1人としています。[1][3]
一方、高LDLコレステロールの原因がすべてFHというわけではありません。甲状腺の働きの低下、腎臓の病気、薬の影響などでも高くなる場合があり、必要に応じて原因を調べます。[2]
「食事を頑張っていないから」と決めつけない
食事や運動の見直しは重要ですが、体質によっては生活改善だけで十分に下がらない場合があります。努力不足と考えて食事量を極端に減らすより、過去の検査結果を確認し、原因に合った治療を考えることが大切です。[1][3]
健診結果と家族歴で確認したいこと
まず、これまでの健診結果でLDLコレステロールがどのくらいだったかを見てみましょう。すでに薬を飲んでいる場合は、治療前の値が参考になります。可能な範囲で古い健診結果もお持ちください。[2]
次に、両親、きょうだい、子どもに、コレステロールが高い方やFHと診断された方がいないか確認します。家族の心筋梗塞や狭心症については、「病気があったか」だけでなく「何歳ごろだったか」も役立つ情報です。[2]
LDLが180mg/dL以上なら、必ずFHですか?
いいえ。未治療のLDLコレステロール180mg/dL以上は成人の診断基準に含まれますが、その値だけで診断は決まりません。腱の所見や家族歴などを合わせ、別の原因も確認します。また、この値未満なら必ず否定できるという基準でもありません。[2]
症状がなくても受診したいケース
コレステロールが高い状態は、自覚症状だけでは気づきにくいものです。FHでは若い頃から高いLDLが続くため、症状が出てからではなく、健診などをきっかけに確認することが重要です。[3]
- 健診でLDLコレステロール高値を繰り返し指摘されている。
- 若い頃から高値が続いている、または家族にFHの方がいる。
- 家族が比較的若い年齢で心筋梗塞や狭心症を発症している。
以上に当てはまる方は、症状がなくても内科や循環器内科で相談してください。受診時に詳しい家族歴が分からなくても、それだけで受診を先延ばしにする必要はありません。[2][3]
なお、強い胸の痛みや圧迫感、冷や汗、突然の息苦しさがある場合は、通常の健診相談ではなく緊急対応が必要です。自分で運転せず、119番へ連絡してください。[4]
姫路市でコレステロールや遺伝が気になる方へ
えぷろんクリニックでは、健診結果や家族歴を確認し、採血による脂質の評価、血圧や糖尿病を含めた生活習慣病の管理を行います。FHが疑われる場合は、必要な検査や専門医療機関への紹介を検討します。遺伝学的検査が全員に必要なわけではなく、実施する場合は意義や家族への影響も含めた説明が必要です。[2][5]
コレステロールの治療は、検査用紙の数値を整えることだけが目的ではありません。将来の心臓病を防ぐために、自分の体質とリスクに合った管理を続けることが大切です。[3]
よくある質問
痩せていても家族性高コレステロール血症になりますか?
アキレス腱が太くなければFHではありませんか?
LDLコレステロールが180mg/dL以上なら遺伝ですか?
その値だけでは決まりません。成人FHの診断基準の一項目ですが、他の所見や別の病気の有無を合わせて評価します。[2]
家族がFHと診断されたら、自分も検査した方がよいですか?
血縁者の脂質評価を相談することが勧められます。子どもの場合は年齢に合った診療体制で評価します。[2]
姫路市でコレステロールの遺伝について相談できますか?
えぷろんクリニックでも、健診結果や家族歴の相談ができます。専門的な検査や治療が必要な場合は医療機関と連携します。[5]